「立派な教室ですね。驚きました。ピアノも机も…運び込むのが大変だったでしょう…」
私はベットは見ないように霞に話し掛けた。
「ええ、業者さんが窓サッシの枠まで外して…。ピアノも机も、祖父から貰った物で離せなくて…あッ、京平さん、ベットはあれでよろしかったかしら。カメラはあそこと、これ!」
「ええ、あ…ええ、充分です…生徒さんは何人?」
まだ攻守は変わらない?
「30人…位です…チョッと失礼…」
と言って霞はロッカールームに消え、お盆にコーヒーの一式を乗せて戻ってきた。
「どうぞ、こちらで…」
とソファの前のテーブルにカップを並べた。
ベットを目の前にして二人横に並んでソファに座った。目のやり場にこまる。
生徒の9割は中学生以下の子供、希望の曜日が重なって調整が大変…教室独自のコンサートを定期に開催していること…などを霞は話した…。
「では、京平さん…そろそろ…私、準備をします」
霞はまたロッカールームに消えた私は落ち着かず、コーヒーカップを片手に部屋の中を見て回った。
「お待たせしました」
霞の装いを見てゴクリッとコーヒーを飲み込んでしまう?鮮やかな紫のロングドレス、足元は見えない!
布地はピッタリと体にフィットして体の線をそのまま見せている。
「本日はお忙しい中、私のご無理…」
「ち、チョッと待って下さい霞さん」
私は霞の言葉を遮った。
「記録は最初からです」
私は三脚のカメラと借りた悟のハンディカメラをスタートさせて霞に向けた
「最初からお願いします」
霞は慣れた様子で挨拶を仕切直した。
「本日はお忙しい中、私のご無理なお願いにも関わりませず京平様には快くお聞き届けを頂きましてありがとうございます。
併せて悟の件につきましても…」
長々と挨拶を続ける霞に苛立ちさえ覚える。
「…ックスをする前の私の演奏をお聞き下さい」
霞はピアノ椅子に掛けた。
私はカメラで霞の顔の表情…ドレスの胸元…しなやかな指などにズーム機能も使いながら舐めるように撮って行った。
ただ期待を削ぐのは、胸元から脇にかけてもブラジャーを着けている形跡はないにも係わらず乳首の存在が視認出来ない。
乳首はそれ程大きくはないのが明らかだ。
ピアノ演奏が終わり、霞が立ち上がりカメラに向かって深々と頭を下げた時、演奏が終わったのに気づいた!。
「精一杯の演奏でした。ひと呼吸、入れさせて頂きましてヴァ゙ィオリンの演奏をさせて頂きます…」
スタスタとロッカールームに姿を消した…。