移動した教室では、室内のカーテンが全て閉め切られて薄暗くなっていた。
「で…では、皆さんとこれから保健と体育の授業をやっていきたいと…思います。」
「前置きはいいから脱げよ!」
「美月先生のおっぱい見せて〜!」
男子生徒らが事情を知っていた事に、美月はショックを隠しきれなかった。しかし、なんとか笑顔を見せて切り返した。
「わ…分かっています。分かっていますから…。その…まず授業を少ししてから。」
無論、事情を知っている男子生徒らも倉真と美月の関係までは聞かされていない。
ここで倉真が反論すれば全て水の泡となる。
律子の義父の事も伏せられ、律子はこの授業の真の目的を理解した唯一の女子生徒として皆に説明されていた。
我慢出来なくなった男子生徒が、突然、美月に襲いかかり、彼女のシャツを破った。
「やめなさい…!!せ、席に…!」
美月は破れた布の切れ端を胸にあてて隠した。
「うぉぉ!ノーブラだよ先生!」
「背中も破けよ!」
「授業を…します。」
律子は顔を伏せ涙を堪えていた。
倉真は美月と律子の二人を連れ、逃げ出したい一心だった。