気になって休み時間にその子に声をかけたわ。
「どうしたの?みんなと遊ばないの?」
彼はひどく沈んだ表情をしていたけれど、私が声をかけたら直ぐに明るい表情になったの。
「澄越君人くんか。キミトくんて呼んで良い?」
キミトくんは笑顔で頷いて、それから私と仲良くなってくれた。
そしてある雨の放課後、事件は起きたの。学校も閉まって私が帰る時間になった頃、帰り道にそれは起きた…。
「あれ、もしかして…!」
雨の中傘も差さずに誰かが地面に這いつくばっていたの。
駆け寄ってみると、
「キミトくん!?ちょっ…と。」
キミトくんは自分を近くの休める場所まで連れて行って欲しいと必死に私に懇願してきたの。
学校はもう閉まっていて使えないし、私はまだその周辺に詳しくなかったから、キミトくんの指示する方へ彼を抱き抱えて走ったわ。
雨が激しさを増す中でも、彼が変に咳き込むのが分かった…。
彼は喘息を持っていたの。
彼は直ぐ近くの安いホテルを指示したの。