明け方にあの高橋惠子の映画の夢を見た気がする
…もちろん、男優は俺。
長襦袢の裾を割ってM字に開脚した股間を見つめ、スケッチする俺…。
9時に惠子に電話を入れて日時を決めた。
記名捺印をした「契約書」を局長に届けた。
「よう、オグリキャップ!お勤めご苦労さん!」
言葉は軟らかいが書類をチェックする目つきが鋭い。
1分でポイントページだけをチェックして元の茶封筒に納めた。
「あッ局長!…」
「『前渡金はどうなる』だろ?馬鹿野郎!預金通帳をチェックしてから言え!12時間も前に振り込んだ」
「あッ局長、失礼します」
「…が、しかし昼飯くらいは奢らせて貰う。焼肉で。一人当たり 1万円未満。未満とは『未だ満たない』だから、9,999円…馬主の義務だ!」
「あッ局長、ぜ…」
「税込みだ。イチサンマルマル例の店。野菜はニンジンだけ」
「ヒヒ〜ン!です!」と俺
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惠子の会社は立派なビルだった。
「オグリ物産の小倉と言います。専務様から9時にアポ頂いて、お伺い致しました」
「お待ち申し上げておりました。ご案内致します」
受付嬢は美人だった、が今流行りの骸骨のようなモデル脚に嘔吐感を催した?
惠子はシルクのブラウスにダークブルーのロングスカートだった。
首にスカートと同色のネッカチーフ
気分が回復する。
紅茶が運ばれた後、
昨夜のお礼を述べて商談に入った。
「先ず最初に奥様、私共の仕事は奥様を受胎させることですので、約ひと月その間は「仮想恋人たれ」と命じられております。そこで 互いを恋人らしく呼び合う名前がございますか。奥様でよろしいでしょうか」
「そうですね。主人が言うように小倉さんは 12も私より年下ですもんね。オバサンでも構いません。あなたのことは…下のお名前はサトル、さんですよね。…小倉サン…小倉クン…サトルサン…サトルクン…サトル!って呼び捨てに出来ませんものね」
「そうですね。奥様、抱かれた時と言いますか…あの、判りやすく説明申し上げますと、私に抱かれ てイク時、呼びやすい名前を皆さんお決めになられるようです。サトルが呼び易くないですか、年下ですし、私は構いませんよ、呼び捨てでも。」
「み、皆さん呼び捨てになさるの?」
「はい!サトル!って叫びながら皆さんというか、お客様しがみついてイッてくれますよ。その方が妊娠し易いですからね」
「そうなんですか?過激ですね…し易いんですか。皆さんがそうなら…」
「では、私のことサトルと呼んで下さい。」