あと40分。ホットミルクの残りを考えてもあと2杯はゆっくりと飲める。
手持ちぶさたにメニューを見ていると 『雪国風ラッシー』やら『ザ・おしるこドリンク』など、気になることこの上ないネーミングを発見!
ただ、観光地価格なんだよな…?
この2つを頼むとして…、
あれ?俺、財布どこやったっけ?!
慌ててポケットを探るがない。コートのポケットにもだ。
もしかしたら この小屋まで引き返したときに落としたか―。
探しに行こうとして残りのホットミルクを一気飲みした。思ったより熱かったけど仕方がない。席をたち、マフラーとコートを取ろうとしたら、
ガッ!!
はッ?!?
いきなり手を掴まれた!
そのまま引っ張られて椅子に座り込んだ。
なんだよ?!誰だ?!こんなやつ知らない!!
『もう帰っちゃうの?ぉ留守番じゃなかったっけ?』
“ぉ留守番”を強めに言ってバカにされてる。怪訝そうな俺の態度は気にしていないのか、その男は楽しそうに笑っている。
『―ちょっと忘れ物が…』財布をなくしたかもしれない、とはいいづらいから言葉を濁す。だからいい加減手を離してくれ―。
『……それって、コレ?』
そう言いながら男のポケットから出てきたものをみて驚いた。
財布だ。 俺の。
『ありがとうございます!拾ってくれたんですねぇ!』
そう言って手を出すが、財布はヒョイと手を掠める。
『!!ちょっと―』
『拾ってあげたから―』
捕まれた手がさらに引っ張られる。引かれた勢いで腰が浮いた。上半身、特に顔がその男と近くなる。
『俺に付き合わない?財布のお礼で♪』
そいつが何を言ったのかわからない。なのに俺は―\r
キスされる― 咄嗟に頭をよぎった。