三春は保健室の前まで来ると、突然崩れ落ちた。
心臓が焼けるように痛む。
「す、澄越!」
見つかった。
声ですぐに分かった。
倉真だ。
「っはぁ!はぁ!こ、来ないでっ!」
言っている間も胸は激しく痛む。
「お前…病気なのか?」
三春は絶対知られてはならない事を知られてしまった。
生まれつきの心臓の病ですぐに発作が起きてしまう。
「わ…笑っちゃうでしょ。あんな非道い事をしておいて…きっ…君人の事での復讐も…ロクに…果たしてないのに…。自分は…この体たらくよ…?」
倉真は三春に駆け寄った。
「はぁっ!はぁ…来ないでって、言っているでしょ…!」
「もう、やめよう。お前の気持ちは分かったから…。」
三春は強がったが、倉真に抱き寄せられなければ倒れ込みそうになっていた。
「離してよ…。屈辱だわ…。そう、そうよ。律子ちゃん…今だって犯されてるんだから…。男性教師たちに…はぁ、はぁ…はぁ。」
三春は顔を上げると、倉真が哀しげな表情で自分を見つめていた。
「やめよう…。もう。」
三春は好きな人の腕の中で死ぬなら…と、一瞬考えた。
しかし、我に返り、倉真に舌を出して反抗した。
「まだまだ…これからよ!」