山間の村を旅した時だった。
水を一杯頂こうと、ある民家に声をかけた。藁葺き屋根のこの家に、何故か心を惹かれた。
「ごめん下さーい! 」
玄関で声をかけると、落ち葉模様の着物を着た美しい女性が現れた。
いや、美しいと言うよりは妖艶――― この世のものとは思えぬ程に、透き通るような白い肌が彼女の身を包んでいた。
「突然で申し訳ないのですが、水を一杯戴けないでしょうか? 」
返事はなかったが、にこりと女性は手招きで応えてくれた。私は囲炉裏端へとあがらせて貰った。
湯呑みに注がれた水を頂戴した。冷たかったが、喉が渇いていた私は一息に其を飲み干した。
「もう一杯注いで参ります」
初めてその女性の声を聞いた。不思議な声だった。まるで本来の甲高さを抑えているような、おおよそこの女性には似つかわしくないものだった。
「恐れ入ります」
恐縮する私に女性は微笑み、台所の方へと姿を消した。そして、私の意識が遠のいた―――
下半身の違和感で、私は目覚めた。
裸になっている自分に気づいたが、それよりも蠢く白い女体に心を奪われた。先程の女性だった。
互いに全裸だった。女性は私のイチモツをくわえ、しゃぶり、いきり立たせようとしていた。
だが、その必要はなかった。淫靡な女性の乳房にそそられ、私のイチモツは一気に天へと向かって怒張してしまった。
女性は馬乗りになり、妖艶な眼差しで私を見下ろした。
舌でペロリと唇を潤す仕草が、なんだか動物的だった。
女性は私のイチモツを掴み、自分の秘部へと誘った。
女性の秘部は既に潤っていた。あてがわれたイチモツから伝わる程、多量の愛液だった。
女性は腰を落とした。迷う事なく私のイチモツは女性の奥深くへと入って行った。
女性は微かな呻きを発した後、私に口づけを求めてきた。
荒々しかったが、下と上との同時の密着感が堪らなかった。
激しかった。主導権は完全に女性のものだった。
人間とは思えない程の速い動きだ、私は早々と昇天してしまった。
それから何度求められたのだろう… 夢うつつの倦怠感の中、私は一生分の精を搾り取られた様な錯覚に陥っていた。
そして気づけば、ひとり林の中にいた。整えられた衣服が近くに置かれていた。
この地方には、子を求め男を誘う妖狐伝説があった―――