「アメリカナイズ…で?…ズケズケといいますと…」
「右か左か。白か黒か。…日本のようなファジーはありません。グレーはない人です。…その場の閃きでものを言いますから …私も戸惑うんです。…私は主人には絶対服従ですの…」
「いいじゃないですか。私もそんな方が好きです。その時には、改築祝いでも粗品をお持ちします」
そんな会話をして真砂邸を辞したのだった。
そして半月後、真砂から電話があったのだ。
当日はお酒も準備するから車は遠慮して欲しいとも言われたから、祝いの生け花の水盤を抱えてタクシーに乗ったのだった
懐石料理を前にして三人の祝宴は始まった。
イメージに反して主人は白髪の老人だった。
「いや〜私も二年ぶりかな、日本は。…社長、お世話になりましたな。…気に入りましたよ。この家は。若干、手を加える所はあるが…それはそうと、立派なプレゼント、ありがとう。高かっただろう」
茶室の床の間に据えた私の持参した水盤を顎で指して主人は言った。
「年を取ると、食事も量より質でしてな。若い社長にはもの足りませんか。
39歳と真砂からお聞きしたが、若いですな」
「はい。食事はこれで十分です。もう、質より量は卒業しました…」
食事は適当な量で珍味が揃っていた。
瞬く間に片付いて行った
「おお、そうだ真砂。折角のプレゼントが寂しい。花を生けてくれ!社長にも見て貰おう。準備をしなさい!」
板敷きの稽古部屋を屏風で仕切った宴卓から茶室を指さして主人がいう
「かしこまりました…」
違和感を感じる程素直に真砂は頭を下げ、別室に下がって行った。
「生け花も華道と言いましてな、茶道と同じくルールがある。花を生ける女の姿も愛でる対象なんですわ…どうぞ、こちらへ…」
主人は水盤の前に1枚、2、3m手前に座布団を二枚敷いた。
二枚に私と主人が座る。
やがて手桶に素材と道具を持った真砂が入って来た…私達二人に深々とお辞儀をして水盤の前に座った。
たもとから取り出した紐の端をくわえると素早い動きで和服にタスキをかけた!
「この立ち居振る舞いですわ、社長。いいと思わんですか?真砂、中々の色気じゃ…昔ならチンポがギンギンに立つところじゃ。腕をあげたな。姿勢もいい。凛としとる」
「有難うございます…」
私は突拍子のない主人の言葉と、それに応じた真砂の返事に呆気に取られていた!