「石ころか、たんぽぽ…ですか…」
「うんうん。意思を持たない石の地蔵じゃ!…これで決まりだな。真砂、シャワーを浴びて貰ってその間に準備をしなさい。布団はワシが運ぼう」
「かしこまりました。シャワーにご案内します」
と真砂は先に立った。
「後はこれをお召し下さい…私は主人に逆らいません。それで裏切られたことはありませんから。…一つだけお聞かせ下さい。私を何回抱いて頂けますか?朝まで…です…」
「何回って、奥様。…射精をする回数ですか?」
バスローブを差出しながら真砂は燃えるような目で私を見つめて、頷く。
「奥、…奥様の…セックスに…よります。が…多くて…3、4回かと…」
真砂はきびすを返して廊下を去って行った。
私は一軒家の民家で、狐につままれたのではないかとマジに頬っぺたを抓ってみた程だ。
部屋に戻ると、茶室の段差に近い位置に布団が敷かれ、真砂がシーツを敷き込んでいる最中だった
主人は一段高い茶室の畳みに胡座を組んで、傍の小テーブルに酒と肴が準備されていた。
「おお、シャワーは済みましたか…もう、準備は終わりますから…真砂、最初はフラメンコを見せてくれ」
「はい。準備して参ります…フラメンコに続いて…もう…よろしいですか?」
「ああ、それでいい。ここで社長と二人で踊りを見せて貰って、真砂が布団に着いたら、社長が行くから。…妖艶に男を誘って見せてくれ。社長のチンポがムクムクと立つようにな!…」
「はい。準備して参ります暫くお時間を…」
と真砂は出て行った。
「社長は、酒は?…いや、酒を飲んだ方が、元気が出ますか?…チンポが立つか、と言う意味だが」
二人になると主人が私に話し掛けて来た。
「いえ、あまり、過ぎるとよくありません。ビール2、3本ですかね…ですが…人前で…初めてです。緊張します…」
「ああ、そうですか、じゃあビールを注ぎますよ。…真砂はね…ああ見えても……激しいんでね。もう、セックスに没頭しますからな。私が調教しましたから。完全に私は石ころやたんぽぽですよ…アニマルになってしまう!」
と言いながら、主人は私にビールを注いでくれる。
「また私はアメリカに帰らにゃならん。真砂が気に入ったら、ちょくちょく抱いてやって貰いたい!私に無断でする女じゃないから…事前に私に連絡があるじゃろうが…」
その時、壁の何処かに埋め込まれたスピーカーからフラメンコギターの激しい旋律が部屋に響き始めた。