『当時、秋吉さんという方が班長をされていましてね。卵焼きの件は班長の引き継ぎ事項でして…それも一切書類ではなく口頭で…。当時から本屋やコンビニに来るお客の間でも女将さんの綺麗な姿は評判でしたよ。…素敵に生きた方です。私もお部屋にお邪魔しましたよ…。あッ、若女将も評判ですよ。先代に負けず素敵だって…』
『私のことは無理しなくていいわ、修さん。…そうなんですか…そんな引き継ぎ事項があったんですか…』
私が少し顔を赤らめて言うと修は、
『私なんかが言うことじゃありませんが、若女将、そんなストレスを溜めないことがいつまでも若さを保つ秘訣ですよ。男性ホルモンを補給するというか…そんな生き方が…』
『修さん、色々と気を使って頂いてありがとう。…私はバツイチだから…誰に気兼ねもないけれど…確かに…そうよね…』
『そうですね、今、気がつきましたが、もう若女将じゃない!女将さんも亡くなって二年も経ったことだし…新女将の就任式をしませんか!。段取りをしましょうか?甘い卵焼き、復活させたらどうです?…』
『女将の件は有り難いことだけど…卵焼きは。…そんな評判が立ったら大変。…恥ずかしいし、今のままで結構よ…まだまだやらなきゃならないことも一杯あるし…』
『だからこそ、ですよ!女将さん。自信をもって振る舞って頂きたい。…卵焼きが外部に漏れないその方法は班長の仕事です…今の 12人、いいモノを皆、持っていますよ』
『いやだわ、修さん。そんな…バツイチ女に…そんな刺激的なこと…言わないで!…私、困る…』
『女将さん、私も 40歳になりました。女将さんの口から、卵焼きを復活させたいなんて言わせる程子供じゃありませんよ。私に任せて頂けませんか…悪いようにはしませんから…。女将さんが…体が寂しくなったとしても恥ずかしいことじゃありませんよ』
『…大丈夫?…修さん…私…いいの?…母と…同じようで…』
『大丈夫!。…段取りが終わりましたら、女将さんにお知らせしますよ…月に 2、3回でしたかね、前の女将さんは…。同じくらいと考えていいですかね』
『はい?あの…はい…』
『女将さん、歯切れが悪いですね。サッパリされて居ましたよ前の女将さんは。女性にして置くのが勿体ないくらい。…自分がしたいセックスの回数ですよ!恥ずかしがってどうします!班長の私にだけは話して頂かないと』