「あの!…ケイ…警察で…犯罪者って…!」
「そうよ、調べられて…前科一犯、立派な前科者や。子供は居るんか?」
「いえ。前…前科一犯……こ、困ります」
「じゃろ?なら答は決まるじゃろ?…裸にゃなるが、帽子も眼鏡も掛けたままでええ。名前も聞かん!どこの誰かも判りゃせん!一回か、オマンコの具合がよけりゃ二回、イッたら相手を交換して四回もオマンコするだけ!後は赤の他人。なんならチンポを見て決めるかい?……オイお前もチンポを出せ!」
言うと自分はベルトを外し始めた。
「あ、あの、けっ、結構です!」
「じゃあ、何が不足か?チンポじゃなけりゃ!
言ったろが!グダグダ長げぇ話はせんと!…まだ昼前じゃ、飯を食いながらやっても夕方にゃ禊ぎも終わって潔白な体で家に帰れるに!旦那に知られもせん!悪りぃ話か?銭を出すでタオルと石鹸売ってくれ」
「お金は要りません…」
「なら、二人で話し合え」
石鹸とタオルを受け取ると男二人は出て行った。
路子といつだったか、そんなに昔じゃない。
夫婦生活について路子は不満を漏らしたことがあった。私とて大きく違ってなかったから相槌を打つ感じで話はおわったが…「路子、結婚五年も七年も経つとマンネリでどこの夫婦も同じよ。あなただけじゃないわ、結局納得でも妥協でもなく、諦めて…人生を過ごすんだと思うわ」と話たのだった…「私、生理前になると欲しくなって、出会い系でも行きたくなっちゃう」
路子との会話を思い出す
「どうする?…路子…」
「貴子は…どうする?」
「私は路子の精にするような卑怯なことはしない」
私は男に渡した石鹸の空箱をちぎって3センチ程の小さな二枚にした。一枚を路子に渡した。
「手の甲に乗せて隠すの。青い面だったら裸になる。裏の白紙だったら警察に行く。…いち、にの三で見せ合お?路子。あとのことは、聞かないで」
「判ったわ貴子。自分で決めたことなのね」
結論は判っていた。
イチ、ニの、サン?
「顔は隠していいと言った潔白になって夕方には帰れる、何処の誰かも判らない赤の他人と言った…もっとしっかり確認しておかなきゃ…路子は何かある?」
「私はもう振り返らない。後悔もしない。自分で決めたから…信じるしかない…貴子があれば…」 「私もよ。でも、旅行や温泉では互いに裸は見たことあるけど…男との場面を路子に見られるのは恥ずかしいかな…」
私は路子に笑って見せた