ザザ ザザザザ 「簓!」 いきなり大声で呼...
あれからどれくらい時は過ぎていったんだろう。 海斗は当たり前のように隣で眠る簓の髪をそっと撫...
ちゃんと抱き締めあって、ちゃんと見つめ合った。 全ての行為が必然で、胸の高鳴りも吐息も微笑も...
だから…。 その言葉は宙に浮き、二人の間を漂った。 首筋を優しく撫でていた指に...
部屋に入り、ぎこちなくしか動かせない足をソファーで休めた。 海斗は簓を見つめ、その視線に...
文字通り足は棒になり、頑なにこれ以上動くのを拒んだ。 海斗は引きずるように歩いて… ...
叩きつけられたドアを、しばらく見つめて、海斗は外へ飛び出した。 一人にさせておけない!...
「簓」 顔をあげない。 映らないテレビを見ている 「おい」 簓は微動だにしない...
「…一生口を聞かないつもりかな?」 海斗はコンビニの弁当を食べながら、リビングのソファー...
海斗の荒い動きに、悲鳴もでない。 簓はうつろな頭で否定していた。 この状況の全てを。 ...