「あ、あそこに明かりついた家が…」 簓の指し示す先に、こぢんまりした民家。 「…...
「そんなんで寒くない?」 簓は言われて初めて気づいた。上着を車に忘れてきたこと。 「だ…...
「俺も同じだ。それに君の言うのも最もだよ。 俺が悪かったんだ、すまない」 華奢な青年はあま...
こんなことがあるはずはない。 二人は事故からおよそ小一時間後も未だコンビニの中にいた。 ...
ミニストップの中に入り、明るさと暖かさにほっとする…が、打ち身の痛みに思わず悲鳴が出る。 ...
額におずおずと当てられた布らしきものが、跳ねた相手からのものだと認識するのに大分かかった。 ...
宮前 簓(ササラ)の意識が飛ぶ直前、過ったのは「給料日」という単語のみだった。 ドンッと激...
気がつくと雨が降っていた 秋も深まって、ゾクッとするくらい冷たい風がうなじを通り抜ける。 ...