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悪魔っコと僕

ウグイ  2006-04-24投稿
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さぁ、自殺しよう。

お誂えむきに自室の柱にロープをくくりつけた僕は、太い縄を輪っか状にしたものを首にかけた。

ああ、思い出してみても最悪の人生だったな。

学校にいけばジャ○アンキャラに虐められ、自室に引きこもれば母さんに怒られ……つーか、何しとんじゃこらー、ってな感じに学校より数倍ひどい有様に逢わされる。

早くに父親を事故で亡くしたからか、母さんは人一倍僕の躾……というか全般的に厳しかった。
一度、僕が家出すると言った時なんか「それじゃあ、達者でくらせよ」と煙草を吹かしながら僕を見送った程の親だ。

ああ、不幸な星の名の元に産まれた僕。

神様、次、輪廻転生するときは金持ちで優しい友達と、息子に優しい母さんの元に僕を転生させて下さいな。

両の手を合掌させ、神に祈る様なポーズを取る僕。

「さよなら、現世……ようこそ来世」

半ば意味不明な台詞を口走った僕は、首にかけたロープに目を向けた。

いざとなると、やっぱ怖いモンだな。
やっぱやめとく?
いやいや、僕はもう現世にはこりごりなんだ。

よし、死ぬぞっ!

せー―………のっ!

「まだ死なないの?」

数瞬、僕は反射的に声が聞こえた方に体を向けた。
うん、それがいけなかった。

体ごと声が聞こえた右に向けた事により、台座から足を踏み外した僕の首に巻き付けたロープが地球の重力に従いおもいっきり締まった。

「へぶぅっ!」

かえるがトラックに敷かれた様な短い声が僕の口から漏れた。

「おお、完璧に締まってるね。大丈夫、大丈夫……もうすぐで魔界直行コースの列車が迎えに来てくれるから」

僕の右側でしゃがみ込んで、太腿にのせた右の片手で顎を支えながら楽しそうに笑い……苦しむ僕を見つめていたのは、見たこともない赤髪の少女だった。

少女は猫の様に丸い目と、小さな鼻、柔らかそうな唇を、整った輪郭の中に持ったいわゆる美少女だった。

――クラッ――

やばい、脳に酸素が。

あっ、ホントに死ぬ。

「ちょっ……これっ……縄……」

必死に首にかかったロープを指差しながら、かすれる声で僕は少女に助けを求めた。

「んっ……縄?」
少女は首を傾げながら僕に近づくと、せーのっで僕の下半身を下に引っ張った。
「ほげぇっ」

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