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月夜の晩に 14

にゃんこ  2010-06-08投稿
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朝がきて、夜がくる。

そんな当たり前の1日1日を繰り返すのがこんなに大変だったとは。

長い、長い1日。

俺は普通な顔をして、部活にも顔を出している。
何事もなかったような顔をして。

いや、なかったんだ。
実際、「なんにも」なかったんだ。

でも、なんでかな…。
筆を持つ手に力が入らない…なんにも浮かばない。
外を見ようと目を向けて、失敗した。

窓際にあの人がいる。
名前、考えたくない。
浮かぶけど、押さえつけてしまわないと。

あの人が、女の子に目配せをして、彼女が笑うその声が脳に突き刺さる。

俺が望んだ。

あの人を知る前の自分に戻りたい、と。

いつかは戻れる。
いつかは忘れられる。
いつかは俺は俺に戻れる。
嫌だ。
こんなに辛いのは嫌だ。
早く消えろ…消えろ、消えろ、消えろ!

こんな感情いらない。

「…み、大丈夫か?顔色悪いぞ?」

…え、ああ…。
目の前にクラスメイトの顔
「大丈夫」

我ながら小さな声、情けないな…。

「保健室、行くか?」

たいして話したこともないのに、親切なやつ…。

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