朝がきて、夜がくる。
そんな当たり前の1日1日を繰り返すのがこんなに大変だったとは。
長い、長い1日。
俺は普通な顔をして、部活にも顔を出している。
何事もなかったような顔をして。
いや、なかったんだ。
実際、「なんにも」なかったんだ。
でも、なんでかな…。
筆を持つ手に力が入らない…なんにも浮かばない。
外を見ようと目を向けて、失敗した。
窓際にあの人がいる。
名前、考えたくない。
浮かぶけど、押さえつけてしまわないと。
あの人が、女の子に目配せをして、彼女が笑うその声が脳に突き刺さる。
俺が望んだ。
あの人を知る前の自分に戻りたい、と。
いつかは戻れる。
いつかは忘れられる。
いつかは俺は俺に戻れる。
嫌だ。
こんなに辛いのは嫌だ。
早く消えろ…消えろ、消えろ、消えろ!
こんな感情いらない。
「…み、大丈夫か?顔色悪いぞ?」
…え、ああ…。
目の前にクラスメイトの顔
「大丈夫」
我ながら小さな声、情けないな…。
「保健室、行くか?」
たいして話したこともないのに、親切なやつ…。