『とも兄…仕事は?』
「終わったから来たんだけど?」
そう言って、僕の涙を人差し指で拭った。
次に僕が目を開けた時、天井が目の前にあった。
…と言うか、朝昭の顔があった。
朝昭は僕を真っ直ぐ見下ろしていた。
『ともに……』
僕の声は朝昭の唇で遮られた。
突然のことで理解するまでに時間がかかった。
朝昭の肩を押し、引き離そうとするがビクともしない。
『……ンッ!!……ともっ…に、ぃ…』
僕の口をこじ開けるように朝昭の舌が入っていく。
しばらくして唇が離れた。
『ハァ…ハァ……とも兄…何するんだよ』
息を切らしながら僕が言うと朝昭は微笑んだ。
初めて会ったあの時みたいに。