嘘をついたり、駆け引きしたり。
そんな俺を今日、計らずもクリスマスイブだという今日だけは封印しよう。
俺はちゃんと圭を見つめた
「本音で話せるのは…あんな出逢い方して、そんな風になったのは…多分、まともじゃないだろ?
でも楽しかったよ。
正直、お前がいないと物足りない。
悠とも違うな。
とにかく…会いたくなくて会いたかった」
圭は笑った。
「悠に聞いたよ。俺を不幸にしちゃうかもしんないから会わないようにしたってさ…」
「まあな」
「そういう気持ちが…お前にあるとは思わなかった」
俺もね。
圭は俺の頬に触れた。
柄でもなく狼狽える…顔には出さないが。
いや、見透かされてんかな
「この先、俺はお前が受けてきた傷は癒せない」
ああ。
わかってる。
「けど、そばにいて…受け止めることは出来る」
「悠みたいに?なら俺は…いい。やめとくよ…」
圭は眉を片方あげた。
何で?というように。
「お前に誰か大切な人が出来て、俺はその時また一人になるから。
だから、そういうのはもういらない」
頬に触れていた手が、俺の向きを変えさせた。
圭と向き合える心境じゃねーのに。