[PR]
i-mobile

シーン・セカンド

にゃんこ  2010-09-16投稿
閲覧数[1687] 良い投票[0] 悪い投票[0]


僕は悪い奴だ。

試している…気持ちを知りながら、試している。

君が僕を見る眼差しは、火と哀しみと影。

気づかない方がどうかしているよ。
だって、苦しくなる。

僕は君のためにフリをしてる。
知らないフリ。
無邪気なフリ。

僕の指先が君の手に触れると、そこから蒼い火花が散って、君は息を止める。
僕は…僕はさ、狡いんだ。君が僕を求めるように仕向けてる。
僕しか見えないように。
いつしか僕らは無限のループに絡めとられて、アリスみたいに暗い所をただひらすら堕ちていく。
どうしたらいいか解らないでいる。
導く兎もいないから。

肩に乗せた頭。
そこから君の熱を感じて僕は優しい寝息を作り出す。
君の視線は糸みたい。
いつか細く長く引き伸ばされてプツリと切れてしまうんだろうか?

その時僕はどうするだろう
光、揺れる。

閉じた目蓋の上にも光は通り過ぎていく。

ちらり、ちらり揺れる光は君の心から発する信号?

僕らは互いを欺いて、いつか来るべき決定打を待つ。

でも、とりあえずは…。

いまこの時は…。

たったの一駅分の。

僕らの時間。

それは、420秒。

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 にゃんこ 」の官能小説

もっと見る

ボーイズラブの新着官能小説

もっと見る

[PR]
i-mobile
オススメ広告


▲ページトップ