「ん…」
気が付くと朝になっていた。
ベッドから起き上がり、部屋を出る。
あれは夢なんだと思っていた。
キスをされた事も、抱かれた事も。
「…おはよ、流歌」
そう流歌の目の前には、兄の劉がいた。
顔を見た瞬間、流歌は昨日の事を全て思い出した。
「…アンタが私を……殺してやるッ!」
「クク…相変わらず考えが甘い」
立ち向かうが、ねじ伏せられた。
「ぐっ…」
地面に伏せさせられていた。
「全力で抵抗しても良いんだぞ?まぁ、飼い犬が飼い主であるこの俺に逆らうなんて出来やしないがな」
「お前なんか…ッ!」
少しずつ力をだし、立ち上がっていく。
「…まだそんな力が」
「アンタに負けない…」
「そうか…じゃあ…久々に勝負するか」
杖を流歌に渡した。