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紺碧の空に星 7

にゃんこ  2010-10-24投稿
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「理央」

彼は軽やかに笑った。

「疲れちゃった」

僕も、涙を拭った。

「理央…クラスにいる…あの誰からも好かれる君が…本当だと僕は思う」

理央は泣きそうな顔を必死で堪えている。

「なあ、これは妄想だろ?僕の妄想だ。
なかったことだよ。
僕は何も聞かなかったし、君は何もしてない。
ただ約束してほしい」

理央は子供みたいに目を擦った。

「なあに?」

「僕、のままでいて。
それが「君」なんだ。
もう…解放しろよ。
充分だろ?
今日僕は君を殺したんだ」
「…いいのかな…」

僕は頷いた。

「うん。
君の身代わりになったのは君を愛したからだ。
愛したなら全てを捧げることを後悔はしない。
そして捧げられたことを後悔はしない…お前が言ったことだよ」

理央は考え込むように瞬いて、微かに唇を上げた。
「ありがとう」

「行けよ。
もうお互い目を覚ますころだよな。
僕も…もう…」

君を、忘れるから。


その言葉が部屋に漂って消える頃、僕はひとりだった

帰り道。


手にした鍵を紺碧の空に放りあげ、キャッチする。


別れたばかりでもう会いたいのに。

僕らは離ればなれ。

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