「どうした?」
真希は蓮一にさり気なく寄り添い、
呟いた。
「これから出かけない?」
「?!」
食器を洗いながら、真希は続けた。
「二人だけで」
「真菜をおいてくのか」
「うん」
「そんなこと」
「できない…?」
その時真菜も食べ終えた。
「ごちそうさまーっ!」
さすがの真菜も、二人の怪しげな雰囲気に気がついていた。
「私も片づけようっと」
「珍しい。面倒くさがりな真菜が自分から」
「ふ……二人とも、片づけは俺が…」
その時、真希が蓮一の皿も手にとった。
「いいからいいから、蓮兄は休んでて」
「あっ、あたしが蓮兄の皿洗うよ!」
「ちょっ、真菜…あ!」
「きゃっ!」
パリンと、軽い音がして蓮一の皿は割れた。
「か…片づけは、俺がやるから……」
「ごめん…なさい…」
「ごめん…」
ばつの悪そうな顔も、二人はそっくりだった。