「いーから、好きなの頼めよ。俺はバジルのにしよ」
な、なんか…いいけど、双葉役作りうまくない?
半端ねえし。
ちょっとキュンってなりそうになっちゃったりなんかして。
スープスパをオーダーした俺は、一口啜ってその熱さにむせてしまった。
「なあにしてんだよ」
「しゃあないだろ、熱すぎんだもん」
ふいに双葉の手が伸びて、俺の顎をクッと掴んだ。
「火傷は…してないな」
…げ。
はずい…信じらんないくらいはずい…。
「大丈夫だっつの!」
ぱっと手を払うと、ヤツが不敵に笑う。
「なにお前、照れた?」
「ばか!ベタベタ触んな!」
ニヤニヤしてる双葉を無理に無視して食べる。
味なんかわかんねえ!
周りの視線お構いなしか?演技も度を越えてるだろ!
「お前スゲー女子にモテるじゃん」
何だよ、急に。
「だからなに」
カチャッとフォーク置いて俺をまじまじ見ている視線を感じる。
「なんつうか…もっと慣れてるかと思ってた。
案外、うぶだな」
…!!!!