次の日、誰もいない教室で撮影することになった。
映研のメンバーが響先輩以外にいない。
「沢山人がいると自然に出来ないだろ」
ふうん…。
「響先輩はいいの?」
双葉が笑う。
「うん、あの人は…いい」
…その言い方なんか…ムカつくんだけど。
つうか、昨日のキスについて何もリアクションないわけですか、双葉さんよ。
「お二人さん、デート順調だったかね」
会社の上司ばりに上から目線の男あらわる。
「はい、大丈夫ですよ」
微笑む双葉に先輩が近づいていく。
「じゃ、まず…お前が彼をこうして…」
ぐっと双葉の肩を掴んで引き寄せ…。
二人ならぶと圧巻だ。
身長高いし、俺との時とは違う色気?がある…。
響先輩は切れ長の目で双葉と向かい合う。
「こうやって…」
綺麗な細い指で頬にかかる双葉の髪をそっとかきあげて…。
…い、いやだ…。
先輩の唇が、双葉に…。
「やだ…」
双葉が、はっとして身を引く。
「風介?」
「いやだ…いやだ!!!」
頭、真っ白。
なにいってんかわかんねえけど…
「いやだっ!」
「へーえ?なんで嫌なんだい?風介君」
先輩が、笑った。