「大丈夫…根拠はないけどな、生きてるんだから」
「…貴方を、跳ねた時、笑っちゃうでしょ?俺ときたら明日は給料日なのに!って思ったんですよ。
あ…明日なんて…永遠に来ない…のに」
「…時間が…止まってるな…確かに」
否定してどうなる?
俺だって期待させるような言葉が何一つ浮かばないというのに。
「他の人たちがいないのは何でかな。
俺たちだけ…」
簓は独り言のように呟いてしばし思案顔で唇を噛んだ
「寝れば全てが好転するかもしれないな。
…俺のベッド使えよ」
簓は微笑んだ。
一瞬、ドキッとするほど可愛らしい笑顔で。
「俺は女の子じゃないんですよ、そんなに気を使わないでいいですから」
なら…いや、でも…」
何を焦ってるんだ、俺は。
簓は寝室をチラッとみて、「あの大きさなら2人でも充分じゃないですか。
どっちかがソファーなんて寒くて凍えますよ」
「君がそれでいいなら構わないけど」
まあ男同士なら…間違いもないだろう。
いくらなんでも。
妙に胸が騒がしい。
動揺なんてしてないぞ。
海斗は長袖のシャツとスウェットを簓に放り投げ、何も考えない事にした。