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さよならは五分前 15

にゃんこ  2010-12-02投稿
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「暗闇ってのは気が滅入るね…」

ぼそぼそと買い置きのパンを二人で食べ、なんとか会話を絞りだそうとする。
簓は思ったより元気だが、心配気な顔に変わりはない
時計も止まっていてどれだけ時間が経ったのかもわからない。

「今日…いや、今日って言っていいのかな…
んと、何しましょうか」

簓はクリームパンを牛乳で流し込み、微笑んだ。

不思議だ。

海斗はまじまじと簓を見つめる。

昨日、というか眠る前より遥かに落ち着いている。

「なんだかね」

それに気づいて、簓が言う
「わけがわからなすぎて夢のような気がして。
じたばたしても始まらないんで…」

繊細なんだか、たくましいんだか…。

起き抜けにキスしたくなったことを唐突に思いだし、熱い珈琲で火傷しそうになる。

すっかり寛いでいる簓の横に腰をおろす。

顎に手をやり、髭が延びていないことに気づいた。 どうやら何もかも「進まない」ことにしたんだろう。
永遠に?

…まさか。


「さあ、どうするか」

「ただでDVDでも借りますか?」

「それも、いいね」

全く、なんだか夢のようだ

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