「…っ」
唇を噛まれて、引いた。 冷たい、貫く目。
「俺は…そういう趣味はないんですけどね」
努めて冷静に言う簓…だが顔は青ざめている。
海斗は唇を歪めた。
「ふん」
自分にそんな一面があるとは思わなかった。
無理やり押さえつけ、唇を首筋に這わせた。
「っっ」
嫌だ、と突き飛ばそうとする両の手首を片手で抑えつける。
華奢とはいえ、男だ。 本気で抵抗されれば恐らく…。
海斗はパッと簓のモノに手を伸ばし軽く上下させた。
「あ!!!」
驚く簓を無視して強引に続ける。
正常な男なら一週間以上も何もしていない状態で触られれば…。
「や…ぐらさっ…だ…」
真っ赤になって、背中がのけ反る。
激しく抵抗していた腕が一瞬へなり、と力が抜ける。
「感じてるじゃないか」
囁くと、耳まで赤くなる。
「ま、待って、なんで…」
自棄だ。
単なる。
それ以外に何がある?
綺麗な指をくわえてやる。
「っあ」
可愛い。
反応がいちいち初々しい。まだ経験が浅くて、しかも受け身でされたことなんかない筈だ。