ヒロキはシックリ来ない毎日を送っていた。
誰にも言えない秘密。
しかし、その秘密を誰とも共有できない状態なのだ。
涼子と二人きりになることは、ほとんどなかった。
偶然なのか必然なのか・・・
学校帰りに大型スーパーで道草を食っていた。
ある男と目があった。
確か同級の・・
結城海翔・・・
カイト?・・ドキュンネームかよ、って密かに笑われてた奴だ。
話をしたこともない。
髪はちょっと茶色で、見た目は結構目立つが、ワルではないらしい。
目が合って何か言わないと不自然だったので
「よぉ」
相手も「おう」と返してきた。
そこへ、茶髪の姉ちゃんが現れた。
黒いレースのシュシュ、ヒラヒラした黒っぽい服で、豹柄のサンダルを履いていた。
「行くよ」
彼女はヒロキの存在に気付き、軽く会釈した。
「友達?」
「ああ、同じ学校の」
カイトは照れ臭いのか、早く行きたがった。
ヒロキは二人がどういう関係なのかに思いをめぐらせた。姉かも知れない。
一旦そこを離れた。
二人は、下着売り場へと移動した。