スーパーのフードコートでぼんやりしていると、
「あら?」
涼子だった。
「あ・ども」
涼子ははす向かいに座り、コーヒーを注文した。
「学校は?・・もう終わったの?」
カイトは苦笑した。
「サボりました」
涼子は優しい笑顔で睨んだ。
「いつもそうやってサボるの?」
「いや・・」
ヒロキは成績がいい生徒だ。岡崎家にしてみれば 信じられない不良なのかも知れない。
だが、カイトは彼らの本性を知っている。
彼は、頭の中に、悪魔のような考えが広がり始めていた。
「おばさん」
「なあに?」
相変わらず美しい女性だ。
清楚で、何の邪心もないような顔・・・
汚したくなった。
「旦那と息子・・・おばさんはどっちがいい?」
「・・え?・・」
一言も発しない助手席の高校生に、涼子は怯えていた。
一方カイトはほくそえんでいる。
終始青ざめて、チラチラとこちらの様子を伺う涼子。
「このマンション?」
涼子は返事をしたつもりだが、喉が渇いて声にならなかった