美姫はデニムのミニスカートを履いた。
網タイツも試したがケバいので生足にした。
冬だと言うのに胸の開いたセーターにジャンバー。
滅多に履かないブーツを履いて車に乗り込む。
茶髪は耳の後ろで二つに束ね、ルームミラーを確認。
ニコッと微笑んでヨシッと呟いた。
美姫は駅前の駐車場で待機する。
今日は塾がない日らしいこともリサーチ済みだった。
来た!
黒い軽はターゲットにゆっくりと近づいた。
「すんませぇん」
たまたま話しかけたらヒロキだった。
そんなシナリオ。
「あの、うちの子見かけませんでした?」
「あ、俺クラス違うんで・・」
美姫は心細げに消沈する。
「そうだよね。どうしよぉ・・」
美姫ほどの可愛いさなら、男はみな次に何が言う。
「何かあったんですか?」
車は海岸線を西へ向かった。
「こんなところ歩いてますかねぇ」
「わかんない、アイツ気紛れだから・・・」
車は海岸線のパーキングに停まった。
「今朝すごいケンカしちゃってね?帰って来なかったらどぉしよぉ」