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さよならは五分前 21

ゆーこ  2011-01-02投稿
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「…一生口を聞かないつもりかな?」

海斗はコンビニの弁当を食べながら、リビングのソファーに腰かけている簓に声をかける。

あれから、体感的には多分5日…それ以上は経つ。

相変わらず暗闇。
相変わらず時は動かない。
そして簓はあれっきり一言も口を聞かない。

まあ、無理ないか。
レイプに近いからな。
…いや、レイプか。
だが、不思議なのは簓が出ていかないことだ。

この世界に俺たちしかいないのなら、家なんて幾らでも選べる。

自宅に帰ることも出来る。
だが簓はここにいる。

蒼白いような怒りのオーラを纏って、ひたすらに沈黙している。

本当に殺すつもりでチャンスを窺ってるのかも。

まあ…ね、いいけど。

いいよ、本当に…。

この世界に来てはじめに襲ったのは恐怖。
次は倦怠感。

今は絶望。

簓に口を聞いて貰えないことはかなり堪えている。 後悔もしてる。
謝ったが、ただ、まばたきのない目で見つめ返されただけ。

苛々する。

なんなんだ、部屋を移れよ
いつまでも一緒にいるな。
いや、居てくれ。

そんな心のシーソーに疲れている。

海斗は無言の簓に近づいた

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