『佐木さんいらっしゃいますでしょうか?』
ドクンと心臓が鳴る。
基本電話なんて女性従業員が取るのに
何故俺は反射的に取ってしまったんだろう。
しかも今、このタイミングで。
「…少々お待ちください」
逃げるわけにもいかず
覚悟を決める。
「佐木、3番に電話」
「はい」
そう返事して佐木はすぐに受話器を取ったが
俺は気付いた
てゆうか原島もびっくりしてる…
あ。周りの従業員も
佐木の駄目具合さでまず代表的なのは電話の受け取りだ。
こいつは電話を託されてから出るのに時間の掛かる奴だったのに
やっぱ…変だ。