一時間後、マキは目を覚ました。
「……………あら、リルナちゃん…
…学校は…?」
「土日ですよマキさん…!休みです!
良かった〜…!目、覚まさないんじゃないかって…!」
「そっか……。最終日の翌日は…
…日曜日で………休みって…ことか。
さすが…マスター」
「マキ、今日はもういいから。
リルナちゃんが、覚悟を決めたわ」
マキはリルナを見た。
「自信を持って、自分に誇りを持って、
やらなくちゃいけないって……分かりました。
それだけじゃありません。
いつでも、怖がらないと、緊張感を持たないと、ダメなんだって…分かりました」
「…………。自信はあるの?」
「あります」
(拙い瞳………でも…)
マキはふっと溜め息をつくと、
一言「合格」と言って、
布団に潜った。
「あっ、ありがとうございます!」
ほっとしたせいか、リルナは急激な眠気に襲われた。
「もう朝だもの、無理ないワ。
ほら、子供は寝た寝た」
リルナは子供扱いされたことに腹を立てていたが、
部屋から出て行った。
「………どう、マキ?」
「どうって……。
本当は…あの子にこんなこと、
させたくなかった……。
だけど、私。もう限界みたい……。
体が動かないの…。
あのコになら……任せられる」
「マキ………」
「うん………。マスターも、もう少しでしょう?……負けないでね」
「ありがとうネ………本当に……今まで……」
「うん……」