深夜2時。
ようやく話疲れて、静瑠が寝息をたてはじめた。
静瑠が書いてる途中のミステリーを読んだり、映画の話したり。
とりあえず連理の話はしなかった。
明らかに静瑠は嬉しそうに話していた。
俺との距離が戻ったと思ってのことだと思うと俺も嬉しい。
一方で、俺が連理を好きだと知ったのに何にも響いてないことは悲しい。
いじましくも俺は望んでいたんだ。
「なんで俺じゃないの?」
と静瑠が言うことを。
言うわけないのに、願っていた。
連理が好きだと嘘をついたのは「男」が好きだと言う俺に対する態度を見たかったからだ。
安心しきって寝息を立てている静瑠を、月明かりの下見つめていた。
死んでるみたいに安らかな顔。
起きてる時よりずっと綺麗な顔。
俺は静かに屈んで、
その唇に触れた。
埃より軽い口づけ。
触れた瞬間、身体中が沸騰したみたいに熱くなり…悲鳴みたいに、もっとと叫ぶ心を押さえ付けた。
危ないな。
好きすぎて、壊したくなるとかってのは本当みたいだ
俺は布団をかぶって、目を閉じた…。
寝られそうもない夜。
長い長い明かない夜。