舞台袖から、ようやく姿が確認できるようになったリルナを、マキは黙って見つめていた。
「強い………。生きようって必死だわ…」
マスターもリルナの変貌ぶりに驚嘆していた。
「正直…ここまでだなんて……。一向にペースが乱れない。しかもお客さんみんなが満足してる…」
「どう?私が任せただけあるでしょう、マスター」
「これで名実共にNo.1てわけネ〜」
「実…の方はどうかしら?まだあと五十人強、残ってる」
「確かに前のあのコならね。でも、今は何かが違う」
リルナの意識を支えているのは、マキやマスター、ファンの客だけではなかった。
(いつもいつも、
あなたのコトばかり考えてるよ。
いつもいつも、
あなたのコトばかり見てるよ。
久波くん………!
会いたいよ……)
「ぁあぁあ!!いい…!激しい…!!
イ……イっちゃうッ!!」
百回以上突かれた体は、
不自然にびくんと跳ねていたが、
リルナの瞳は一点の曇りも無かった。
「……凄い…。あんな激しいされ方でも、まだ楽しんでる」
マキには自分に無いリルナの強さがなんなのか、知り得なかった。