白いドレス姿の
ひとみ…
胸元は谷間がハッキリ見えるまでV字にカットされ、その真っ白なバストはあの日あの時のものだった。
髪はセミロング…
身長も少し高くなったようだし、何よりもスリムになって、胸が大きいためグラマラスに見える。
背筋を伸ばして、手をおへそ辺りで軽く合わせて美しくさっそうと歩いている。
綺麗だった…
見とれてしまった
ステージに上がる間際に、こっちをチラ見して、指先だけで手を振った。
まどかは手を振り応えていた。
演奏はひとみばかりを見ながら聴いていた。約30分…ゆったりとした時が流れた。
ただ、ひとみは一度もこちらを見ることは無かった。
真っ直ぐ正面の遠くに視線を向けている。
天井の一点を見つめていたあの時のあの目で…
演奏が終わり、ひとみは帰って行った。こちらを見ることは無かった。
ボーっとしていた俺に、まどかが太ももを抓ってきた。
呪文が解けた…
そんな感じだった。
『優斗〜っ!満足しましたかぁ?』
俺の視界に顔出して、まどかが叫んだ。
『ごめ〜ん』
『ねっ変わったでしょ』
『あぁ、変わった。間違いなく変わってた』
『大きな魚逃がしたね』
『かもなぁ…』