「琉聖のことだよ」
静留の言葉は石みたいに固く、かたまって地面に落ちないのが不思議なくらいだった。
「琉聖が、なあに?」
「どう思ってんの?」
刺々しい声。
おいおい、静留のそんな声…聞いたことねーぞ。
連理はふっとため息をついた。
「好きだよ」
「友達、として?」
なんなんだ?
話をどこに持って行きたいんだ?
連理は恐らく微笑んだんだろう。
見えないけど感じた。
「静留…どうした」
「琉聖が…琉聖のこと…本気じゃないなら、俺…絶対にお前を許さない。
アイツを傷つけたら、それを一生後悔するくらい、俺がお前を傷つけてやる」
静かに、けれど後半は上擦っていた。
「俺、お前が中学んとき色んなやつと…男女と、派手に遊んでたって聞いた。
もしそんなレベルで琉聖と遊んでるなら、今すぐやめろよ」
あの静留が。
穏やかで、喧嘩なんかしたことない静留が…。
「アイツはお前の何?」
連理の冷静な声。
「琉聖は…俺の…親友だよ…一番大事な親友だよ」
話始めた静留は
いつもの穏やかな声音を取り戻していた。