連理が優しく髪を撫でる。
「鬱陶しいなあ」
不機嫌そうに手を払いつつも、本気じゃない…といえば、この関係も本気なんだかわかんない。
なんつう曖昧な関係。
「ちゅ〜して」
連理が唇突き出してくる。
「ったく」
キスしながら、なんでこうなったかをまた、考えてる
傷の舐め合い?
かたや古傷を癒すため。
かたや、長年の片思いを忘れるため…。
それだけ…だよな?
そうだよな。
静留とは至って普通のお友達に戻った。
あのあと俺が謝ると、静留は泣きながら何度もごめんなさいと、良かったを繰り返した。
それ、言われる度に痛かったけど…。
今は?
痛いよ、確かに、けど…舐め合いが効いてるかも。
連理…綺麗な男。
男って言うにはまだ少年だけどさ、大人っぽい。
バカばっか言ったりやったりすんのに、いざって時は俺より段違いで大人。
「なあ」
呼ぶと連理が振り向いた。
「ん〜?」
「女の子と遊ぶ方が楽しいんじゃねーの?」
いやあ、と寝返りうって、
「お前が好きだから」
え?
…はあ??
連理はニッコリした。
俺は…ビックリした。
…はあ…?