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ラック・ガール 完

輪廻 2011-03-09投稿
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(………あなたの事ばっかり、
見ていたよ……。
……私は、あなたに気づかされた…
本当は…私……)

それから一年後の卒業式。


帰り道は、
いつものようにのんびりした空模様だった。
桜が絵に描いたように咲き誇っている。


「私、寂しかっただけなのかな」

「……なんだよ急に」

「マスターに会えたらね、言いたいことがあるの」

「ありがとうは、あの時言ったよな?」

「うん。でも、ただのありがとうじゃないんだ。

私は、誰よりも幸せで、幸運だよって。
お母さんに守られて、
マスターに守られて、
今は…」

蹴人の前に立ち、リルナはお辞儀した。

「…………だから、言いたいことはありがとうだけど…。

私と、出会ってくれて、
本当にありがとう。


…って、

あっ」


蹴人はリルナを抱き締めて、
それからゆっくり彼女の瞳を見て言った。


「俺の方こそ……ありがとう」



「卒業式終了直後にお熱いですな〜!」

「…!!ふ、二人とも…!」

「…いや…リルナの方から…!」

「抱きついたのは…久波じゃなかった〜?」
笑顔で母校を後にし、
リルナは感じていた。


―――私には生きる動力源がある。

それはこの先、
変わることがないものだろう。

私には少なくとも、そう感じられた。


みんな、出会ってくれたみんなが、
私の、宝物だから…――――





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