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クレイジーキャット 11

にゃんこ 2011-03-12投稿
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「連理」

ゆっくりと歩幅をゆるめて歩く連理。
普段と変わらない様子を装っているのだとしたら失敗だ。

身体中が緊張している。

「アイツなんだろ…連理の…好きだった家庭教師」

「…」

黙ってる。

それは答えだ。

俺は妙に苛立ち…さらにアイツが嫌いになった。

完璧な大人。

あまりにも俺と違う人種。
生まれながらの勝ち組気質が全身から漂う男。

だから、嫌いなわけじゃない。

気づいたよ。

嫉妬だね。

連理にこんな顔させた奴に対しての嫉妬。

「まだ好きなわけ」

口をついてでる、つまらない言葉。

答えは欲しくない癖に。
「…琉聖」

「なに?」

連理は蒼白な顔で、俺の頬を撫でた。

「今日、ごめんな」

傷つけるつもりはなかったんだ、と耳元で囁いてそっとキス。

不意に、俺はしがみついて離れそうになる唇を引き寄せた。

人目もどうでもいい。

「聞いたよな、お前」

俺は怒ったように口走った
「静留より今はお前が好きだ」

連理は驚いて俺を凝視した
「マジで?」

俺は俺自身にずっと問うてきた疑問に答えを出した。
「…マジで」

連理が、笑った。

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