望まれて?
そのうち冷める?
連理は望んでいる…?
庄野を、庄野といることを…?
庄野は更に近づいた。
見上げると、慈愛に満ちた瞳で見下ろされた。
「傷ついているね…可哀想に」
普通なら
可哀想などと言われたら、俺は逆上するだろう
けれど庄野の声には魔力があり、俺は気づけば泣いていた。
なんで無視すんの、連理…
なんで…?
そんな俺を、庄野はそっと引き寄せた。
泣いている俺の背中を撫でる…子供をあやすように。
「いいこだね」
ふっと、このままでいたいと過る思い。
それを見透かしたように庄野はそっと俺の顎を持ち上げ…
唇を重ねた。
全身を駆ける、甘い戦慄。
どこまでも優しい、溶けるような口づけ…目を閉じ、委ねたくなるような。
口づけは、それだけで官能的な行為だった。
庄野に全てを任せても…
甘く耳元で囁かれる
琉聖、と
成す統べなく、崩れ堕ちそうになる寸前、
脳裏に閃いた
俺を信じて
何があっても
俺は目を見開いて、ようやく自分が見えた。
庄野から身体をもぎ離して唇を拭った。
庄野は剃刀みたいな容赦ない笑みを浮かべた。