連理は居なかった。
家にも、どこにも。
俺はパニクって、ある家のチャイムを鳴らした。
扉は開き
驚いてポカンとしている静留が出てきた。
「ど、どしたの?」
もう、限界だった。
頭、悪い俺がいっぱいいっぱい考えたところで、解決できるわけがない。
慌ててなかに招き入れた静留に
今までのことを全てぶちまけた。
静留は静かに頷きながら時折、「で?」とか
「それから?」と促したり補足を求めたりしていた。
話つかれて、ぐったりして…俺はもう、気力つかい果たして寝転がった。
「琉聖」
「なに」
言うだけ言って、ぶすっとしてるなんて俺はどこまで最低なんだよ。
「琉聖は連理が好きなんだよね?」
「うん」
間髪は入れない。
それは確信。
「なら、大丈夫!」
唖然とするくらいあっさりと、明るく、爽やかに言い放たれたので
俺は思わず吹いた。
「大丈夫だよ!琉聖…ただ俺、ちょっとショックだなー庄野先生そんなだなんてさあ」
笑いながら、口とがらす。
やっぱり友達で良かった。静留がいてくれて良かった
糸は未だにこんがらがったままだけど…。