大丈夫だよ
その言葉に励まされるも、やはりメールも電話もない
俺と庄野がキスしてるのを見たんだろうか?
見たにちがいない。
連理は青ざめて、目に見えて具合の悪そうな顔をしていた。
「連理…」
なんとか話をしようと近づくと、無言で席を立ち、消えてしまう。
もう、ダメなのか?
俺を見切ったのか…?
自分自身でさえ、見切りをつけたいくらい情けなかった。
罠だと知っていて行った。
アイツを心底嫌いなのに、アイツの言うようにやはりどっかで…心の薄暗い部分で惹かれていたんだ。
命を落とすとわかっていても、篝火に近づき燃えてしまう蛾のように。
それなら、長いことアイツに毒され続けた連理は?
俺より遥かに断ち切るのが難しいに違いない。
信じよう。
連理は俺が好きだ。
体がアイツに反応したとしても心とは裏腹だと今は理解できる。
いつか、無理やりでも捕まえて話をしよう。
しなくては。
俺は連理が好きなんだ。
誰より、何より好きなんだ
だから、壊れたりしない。引っ掻き回されるのはもうごめんだ!