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ラヴァーズ 8

にゃーす 2011-04-06投稿
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「…は…っ…あ…っ」


淫らな音で寝室が満たされている。

こうなるのは彼がありがとう、と答えた時に既に決定していた気がする。

部屋に上がったら、もう必然だ。

〜1時間前〜

泉堂さ…いや、泉堂は部屋に上がりネクタイを緩めた
その動作が計算された色っぽさを生み出し、頑なで清らかなイメージから一変させた。

「何故かなあ…」

俺を振り返り上着を脱いで座椅子に乗せた。

「なにが?」

たぎる情欲に声が低く掠れる。

彼がゆっくりと近づき、俺の唇に指で触れた。

「こんなこともあるんですね、困ったな…」

俺はその華奢な手首を掴み囁いた。

「こっちの台詞です」

ドキドキする。

クラクラする。


出会って一日しか経ってなくても…

こんな綺麗な人が自分の腕の中にいるとは思えなかった。

ああ、もう


どうなってるんだろう

最上級の悪夢みたいだ。
恋に囚われるのはうんざりだった。
裏切られるのも
かりそめの欲情も
そこから派生する諸々の感情に辟易していたのに

キスが全てを覆す。

唇が触れた。

侘しい部屋から始まった。
恋は…始まってしまった。

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