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セタンスクレ23

クォタ 2011-04-09投稿
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原島はこちらをチラリともせず『チャラけてないですよ。』と笑った

「ただ何か、俺も色々面倒臭くて。」

さっきからコイツは…
いちいち遠回しの言い方に苛々する。

「…じれったいんですよ。」

言いながら原島はシャツのポケットから煙草を取り出した


「吸っても?」

俺が頷くと慣れた手つきで1本抜き出し火を点け不味そうに目を細める

すぅっと吐き出した紫煙と共に言葉を繋いだ


「佐木の、退職理由を聞いて良いですか」


ドクン、と胸が脈打った


「……答える事はできない」
「個人情報だからですか?」

間髪いれずに問い掛けられ、一瞬タイミングを失ってしまった

「それとも所長の個人的理由?」

「っお前…!」

思わず原島の襟首に掴みかかってしまった。
周りから小さく悲鳴が聞こえ、ハッとする。

「気に障りました?」

挑発的な態度に
また苛立ちが膨らむ。

「…ッ」

乱暴に手を離そうとした瞬間
それを制するかのように原島は俺の手首を勢いまかせに掴んだ。

「なん…」
「ハッキリ言いましょうか。…俺はね




佐木が自分から退職した理由を聞いてるんです」

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