「犬みたいに所長に対してシッポ振りまくってたあいつが、それも急に何でなのか…って」
「…そんなの…俺が聞きた…」「ま。
…ねぇ所長、それはあなたがよく知ってるんじゃないですか?」
「…え?」
「俺はあなたじゃないんで、分からないですけど」
言いながら俺はわざと意味ありげに笑った
「俺じゃない…?俺…?」
ああ、じれったいな
「ええ。あなたの気持ちなんて、分からないです」
沈黙
所長は黙りこくって…
「…っ!」
あらら。真っ赤。
まさに『ボッ』て感じ
ここまで言わないと
分かんないなんて重症だな
「…って、うわ!」
ガタンとデカイ音を立てて机が揺れた
ついでにその上に置かれてた食器も。
「え?所長?」
所長は何やら上着を拾い帰り支度を始めだす
「悪いが先に出る」
「えぇ!今?!…や、てか…俺何も食ってないっす!」
「払っとくからお前はゆっくり食ってろ!」
うわぁ。何その男前。
いや、確かに俺の予想通りの結果だけどね
まさかあんなソッコーで突っ走るなんて…てかさ
「…この量独りで食うの?」
どんな悲しい図だそれは。
「はぁ、全く…」
(…ま、こんぐらいしてもバチはあたんねぇだろ)
手慣れた動きで携帯を開く
「……と、よし。送信。」