「サヤ………ダメだ…」
服が擦れる音がしただけだったけど、
御ノ瀬くんにはわたしが、彼の言葉を否定していることを理解したらしかった。
あなたを巻き込みたくない。
―真っ赤なウソだ…。―
本当は助けて欲しくて、
本当はこんなふざけた現実から、
助けて欲しくて。
御ノ瀬くんの唇と自分のそれを重ねた時には、感謝の気持ちでいっぱいだった。
もちろん、彼には空虚なわたしの顔しか見えていないだろう。
構うものか。
「あっ…。ぅう…サヤ、それ以上は」
拒否する彼のペニスを優しくくわえた。
全てが愛しかった。
舌と唇で舐め、愛撫する。
これ以上堅くならないという辺りで、
手で握って、優しくしごいてあげる。
「……ね。気持ち良い?」
「サヤ、キミは……」
「わたしは御ノ瀬くんが気持ち良いなら、嬉しい」
本当は、御ノ瀬くんが何を伝えたかったのか。