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メテオリック・ボーイ 完

輪廻 2011-06-29投稿
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「………だから、この馬鹿げた構想から降りたいんだよ。
サヤはその構想通りになんて動いたりしない。
華宮さんへの罰も取り消して。
あの男子には別の方法を、問題解決策として提案してくれよ」


―怒ってる………?―


「サヤは…サヤとは俺がきちんと決着を着ける。
ここからだって、出ていくさ…。
…ああ…」


「ユウ…イチ」


「サヤ……。キミの問題が解決した」

「え…?」

「俺はキミを連れてこの街から出る。
いや、キミの名前も変える」

「名前を変える…」

「御ノ瀬紗弥になってくれ」

唐突に理解した。

わたしは、私はただ、
誰でもいい、ただ一人に愛されたかっただけなのだ。

御ノ瀬くんの瞳を真っ直ぐ見て、
そっと口付けを交わし、
私達は、もう見ることの無い街の景色を眺めた。

部屋を出る日に御ノ瀬くんは、
受付のおじいさんと、
華宮さんや男子たちのことについて話していた。

あのおじいさんが学園都市構想を考えた張本人だったらしかった。

「行こう」

「あのおじいさん…」

「君たちの言い分は綺麗事だが、それを実行する君たちの姿は、本当に綺麗だ。だって。
意味わかんないな」

「……綺麗事なんかじゃないよ。
どんな街にも、必ず私達と同じ考えの人がいる。
愛する人がいれば良いって人が、必ず」

「さぁ、お義父さんに挨拶に行こうか…」


彼の腕にしがみついて、
私は歩き出した。

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