「社長、どうしたんですか?」
「な、何でもないわ。なんだか熱っぽくて…。」
軽く咳払いなどしながらごまかした。
佐々木が綾の雰囲気を察し近づいてきた。
「頑張りもほどほどにしないと、社長だけのカラダじゃないんですからね。少し奥で休みませんか?」
「ありがとう。でも、村上商事の専務が、来社することになってるでしょう…」
「詳しい時間は分からないと云う連絡がありましたから、それまで休まれたらいいですよ。」
そう言うと、いつも綾が飲んでいる解熱剤を渡された。
開封された粉薬を一気に飲み干し、冷水を流し込んでいった。
白い喉元の動きと胸元の谷間を見ながら、
“白雪姫のあの婆さんは実はエロ爺でした。ゆっくり眠りながら、愛液を垂らしてくださいね…”
と、心で喋りながら
ブラウス越しに乳首の突起を見つけほくそ笑んでいた。
“カラダはもっと乱れて貰わないとね、社長。”
「外回りの営業スタッフは終わり次第帰らせますが、報告は月曜ということで、よろしいですか?」
「佐々木さんは、お客様が見えるまで、いてくれるんでしょう?」
「もちろんです。さぁ、少し休んでから話をまとめましょう。」
その時、佐々木が携帯をとりだし誰かと話しだした。
この電話は芝居であった
朝一番の電話で昼からの商談は来週に変更されていた。
緊張感があれば媚薬の効き目が早まる事を利用したのだ。
「村上商事の専務様に急用が入ったらしく、来週に伸ばして頂きたいとの事です。」
「わかったわ、私も体調がすぐれないので…休ませて貰うわね。」
「休んでください、戸締まりはしておきますから…」
「ありがとう、佐々木さん」