「はぁ……はぁ……」
「ぁ……ぁ……」
二人は繋がったまま、放心していた。
男たちは、満足して、二人に告げた。
「まぁお前らに子供ができるまで、何回でも手伝ってやるからよ」
「また今度、楽しみにしてるぜ」
出ていこうとする彼らを見もせず、
サヤは微笑した。
「………?サヤ?」
「確かに…次に会う機会があったら、怖いかな…」
男たちが体育館倉庫のドアを開けた瞬間、
サヤの友達二人が、立っていた。
「お前ら、聞いてたのか?」
二人は無言で外へと走り出した。
全員、二人を追いかけた。
「望、立って…逃げよう」
望の縄を解き、急いで服を着たサヤは、彼を促した。
望は慌て着替え、彼女に続いた。
「サヤ…?ど、どこへ?」
彼女は、鍵がかけてあるハズのドアの方に走って行った。
「こっちは鍵が…。…?かかってない…」
「うん、私が頼んでおいたから…」
サヤは、予め男たちの行動を予測していた。
望が避妊具を渡し、女子たちが騒いでいるところを、男たち本人が見ていないはずはなかった。
からかっているつもりなのだから、からかった相手の反応を見るのは当たり前だった。
そして、彼らは不用意に打ち合わせていた。
「…今度はどっかでよ、あいつらに頼んで痴女プレイとかどうだ?」
「望のヤツ、案外気持ち良かったりしてな」
笑いながら上階に消えていく彼らの階下には、サヤが立っていた。
顔は見えなかった。
しかし会話内容だけは、しっかり記憶していた。