もちろん晴明も人間だから笑わないなんてことはない
まあ普通の奴よりは圧倒的に少ないが
けどもし晴明がよく笑う奴だとしても
その笑みの一回一回が俺の奇跡に感じられる筈だ
もう、どういえば良いのか解らないくらい好きで堪らないんだ
夕刻時、イルミネーションが美しく輝き始める時に
横にいる晴明が笑っている
もうそれだけで涙が出そうになるくらい幸せで切なくて
触れないように手を抑えるのも限界なんだ
冷たい風に晴明が首をすくめた
「寒い?」
ふん、と鼻をならして
「冬だからな」
と答える
淡雪みたいに消えた笑みだけど、その眩しさはしつこいくらいまとわりついて
苦しいよ
苦しくなるよ、 晴明
男だからとかもうどうでもいい
そんな悩みはとっくに越えた
どうにかしたい
どうにもできない
でもいつまで想っていてもどうしようもない
それならいっそ、このクリスマスで全て吹っ切ってしまおうか
「どうした」
キュンっと心臓が縮まる
あーもう
俺は乙女か?
うじうじしてんのもいい加減終わりにしたい
「晴明」
言え!
言うんだ、俺!